OYA-Gの木工狂躁曲

タイトルは誤字・誤植ではありません。
こんな気分なんです。
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琉球異聞2

事件4.

到着した日の午後、那覇中心部から車で1時間ほど北上した中城村(ナカグスクソン)

っていう集落に立ち寄りました。

今回どうしても会っておきたかった、琉球螺鈿の匠が住んでいる集落です。

「**漆器店」っていうから、看板があるだろうと思っていたのですが、

地図上の住所近辺に行ってもそれらしきものが見当たりません。

で、TEL。

「近くに来てるんですが、これから寄せて頂きたいんですが。」

「あ〜すみません。病気をして2年前から仕事を辞めてるんです。」

「え!そうですか。煮貝のことを伺いたくて来たんですが。」

「どちらから見えました?」

「広島県です。」

「それは遠いところから。それでしたらお話だけでもさせていただきます。

 え?中城小学校の裏門のまえ?北方向を向いている?後ろに20mほどの

ところです。」

っていうわけで、すぐに発見。普通の民家で、店舗ではありません。

こら解らんはずじゃがな。

 

煮貝って何だって?

螺鈿に使う「夜光貝」っていう、サザエのオバケみたいな貝で、普通は真珠層を

研ぎだして使うんですが、尚氏王朝時代の古文書に「煮貝」っていう記述があって、

その時代の螺鈿作品に不思議な光り方をする部分があり、どうもそれが煮貝らしい

っていうことに気付いたんですと。

古文書には煮貝っていう記述はあるけれども、方法は記述がなく、技術も伝承されて

なくて、「失われた技術」ってことになってたんだって。

それをこの匠が試行錯誤の末に復元に成功したっていうんです。

海水で一晩中コトコト煮て、小さな金槌で全体に万遍なくコンコン叩く。それを

何度も繰り返すと、0.1mm弱の真珠層が剥離してくる。

それを更に両面・表面だけ・裏面だけっていう風に砥石で研いで3種類の材料を

入手する(これは公開されています)、っていうんですが、何とも気の遠く

なるような作業です。

やり方の極意みたいなものがあるはずなんですが、私が知りたかったのは方法論

そのものではありません。職人が血のにじむような思いで獲得した技術を

教えてもらえるって考える程野放図な人間じゃありません。

知りたかったのは、普通の擦り貝とどういう風に違うのかっていうことと、

なぜ復元できたと分かるのかっていうことなんです。

 

「時間はどれくらいありますか?え、20〜30分?それじゃあ急ぎでお見せしましょう」

っていうことで、手持ちの作品を次々に見せて頂きました。

「これは江戸幕府に献上した爪楊枝入れです。琉球王朝時代の螺鈿漆器には

 <進貢品=中国王朝向け><献上品=江戸幕府や薩摩藩向け><贈答品=その他向け>

 っていう3種類があり、図柄や使われる貝の種類などが厳格に区別されていました。

この丸盆の方は進貢品です。龍の図柄は進貢品以外には使われません。

貝は全て摺り青貝です。」

「これが動画でご覧になった丸盆です。琉球螺鈿で使われた全ての種類の貝を使いました。

 煮貝はこの部分です。え?あまり綺麗じゃない?そう仰ると思っていました。」

と、ここからが事件です。

匠はおもむろに立ち上がると部屋の照明を消したのです。

軒の低くて長い琉球の民家ですから、部屋の中は薄暗くなります。

何という事でしょう!!今まで沈んでいた煮貝の部分が得も言われ怪しい光を放つでは

ありませんか。

「昔は電気照明は無いんで、これが本来の螺鈿の見え方なんです。古い螺鈿細工に使われていて、

 今はすたれてしまった煮貝の美しさがわかって頂けましたか?」

ワカリマシタワカリマシタ!!!

「ちなみにですよ、売るとしたらおいくらですか?」

「去年来た人が200万なら出せるって事でしたが、売りませんでした。」

スミマセンスミマセン。聞くだけ野暮でした。

でもまあ、11か月かけてその値段じゃあ食えないわなあ・・・・。

他にもいろいろ教えて頂いたのですが、この辺にしておきますが、最後に

「こういう事をしていると貧乏するんです。」と言われたのが心に残りました。

今回の沖縄旅行の白眉となる事件ではありました。

 

事件5.

 

DSCN0682.JPG

 

これは58号線を北上して旧名護市内入り口の「東江(あがりえ)」交差点の

看板。少なくとも10年以上前から気になっていました。

今までは「日本一大きな車エビ」って書いてあったんですが、日本一は

なくなっていて、「超巨大」っていうフレーズに変わっていました。

反省してくれたのね。

この交差点を右に曲がって太平洋岸に出て、少し南に下がった屋我地っていう

ところにあるらしいんですが、今回行ってみました。

初日の晩飯はバーベキューの予定だったんで、そのメインを張って貰おうって

算段です。

「超特大」っていうのを買いましたが、別に大きくもなんともなかったです。

結局雨でバーベキューは中止。部屋の中で泡盛をぶちかまして茹でて食べました。

ほら、広東料理なんかで芝エビに白酒をかけてバシャバシャ暴れているのを無理やり

茹でて食すっていう残忍かつショウアップされた奴の真似ですよ。

甘味が強くておいしかったよ。

 

事件6.=おまけ

 

到着翌日のゴルフは曇天の中、少し肌寒い中でのプレーでしたが、

1日置いた水曜日は晴れの天気。

DSCN0687.JPG

 

少し風は強かったですが、今回唯一の晴れだったんで気分は良かったです。

気分は良かったんですが、体調を崩してしまいました。

連日の二日酔いもあって、軽い熱中症になってしまったようで、その晩は

不思議とお酒がおいしくなく、食欲もありません。

夜は体中が熱っぽくて眠れませんでした。

体調不良は帰ってきてからも続き、1週間以上調子が出ませんでした。

深酒はいかんねえ、無駄な反省ですけど。

 

              琉球報告は以上です。お粗末様。 

 

【2018.05.04 Friday 07:33】 author : OYA-G | 雑記帳 | comments(2) | trackbacks(0) | -
コメント
そう、今回はなかなかディープな旅でした。
匠とも話したんですが、伝統工芸が廃れるのは結局「食えないから」ってところに行きつくんでしょうね。
【2018/05/18 5:06 PM】 OYA-G |
おー!中々格調高い沖縄旅行ですね。
なんだかNHKの日曜美術館に出てくるような
シーンを思い浮かべてしまいました。
後継者がいない問題は日本中にあるのでしょうが、昔だったらパトロンがいたのでしょうね。
違った意味で公平な世の中になってしまった
のでしょうか?

【2018/05/17 10:37 AM】 acanthogobius |
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