OYA-Gの木工狂躁曲

タイトルは誤字・誤植ではありません。
こんな気分なんです。
肉体労働は続くよ!!
先日シャカリキになってタモの大群と戦っていたら、
千葉方面から「無理だからやめとけ。」ってアドバイス
があったんですが、懲りずにやってます。
ただ、一日中肉体労働はしんどいので、ちょっとだけ
ペースダウン。
材木屋の親爺になるのは1日3時間以内に抑えて
います。
その分道具遊びのペースが上がってるんですが、それは
また後日。
ただ、家の裏庭でやっていた研ぎですが、今までは必ず
毎日片付けていたんですが、今は研ぎ場にしている流し
の近辺に研ぎ道具が進出している状態です。
そう、朝晩必ず何かを研いでる状態です。

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粗取りの終わった材を作業室に置いておくと、何かと邪魔になる
ので、廊下の材木置き場に仮置き。
数えたら大小取り混ぜて68本ありました。
脚材やら桟、作業台の天板になる諸君です。

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あれだけ場所を取っていた奴らですが、残るところこれだけ
です。もっとも、掘り出した量の60%以上はまだ残っています。
奥側にある一群が問題です。
長さ2mのグループなので、一人ではちょっと苦しいのです。
弟子を呼び出せば良いのですが、最早パワハラが使えないので、
ちょっと思案しているところです。
三郎ができたら次郎は弟子にやるんですが、交換条件は
「身体で払う」ってことになってたんだけどなあ・・・・。

         次回は「道具編」行ってみましょう。
 
【2014.06.24 Tuesday 20:29】 author : OYA-G | 作品 | comments(3) | trackbacks(0) | -
肉体労働者的次回作準備!!
タモを大量に発掘して、工房の作業スペースに出しています。

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廊下の一番奥の、タモの2m材があったところに、サクラやら
ヤマナシやら、斧折れ樺やらの雑多な材を一時避難してもらいました。

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階段下のスペースに短尺の材をテンコ盛りにしていたんですが、
底が見えるところまで掘り起こしています。
残ったのが1立米のタモの最後の1/10ぐらいでしょうか。

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逆光で見えにくいですが、狭い工房の中を行ったり来たり、
一応目的の材を引き出して陳列しました。
おかげで工房内の移動が不自由になってしまいました。

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全ての材に寸法を書き入れ、使うときに解りやすいようにしておきます。
あ、厚みは5/4なんで省略してます。

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新作業台三郎用の苦脚になる一群です。 31X95に調理。
テーブルソーの縦引き、手押し、自動をフル回転、最後に
スライドソーで丈を決めてあります。
板材3枚を接着して90角の脚材4本と、その下に付く部材
2本を作ります。

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順目方向に揃えてグループごとに結束して一時保管。

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同様に依頼品の2000*1000の大型作業テーブルの脚用材
12枚も完了。

暫くこういう製材所的作業が続きます。
作業スペースに取り出した大量のタモ材を、使用できる粗々の寸法に
製材しておかなければ、邪魔で仕方ありませんから。

そうかといって、これが次回作とはならないのです。
「作業台三郎」は7月末か8月初めに第3工房の改装が始まり、
床張りが終わった頃揃えておいた部材を搬入して、組立て作業に
入ります。
受注品の大型作業台は、三郎が完成してからの製作で、年末ごろの
納品予定です。

その前に大量に入手した古道具の容器を作らなければなりません。
同時に、受注品の椅子8脚の試作品を完成させる必要があります。

つくづく思うけれども、木工って肉体労働なんだよね。
毎日8時間続けるのは大変な労力がいるんだなあって思ってます。

6月1日に東京から帰ってきて17日間、フルに作業したのが
12日。全く作業しなかったのが1日、半日作業が4日、
多少慣れてはきましたが、毎晩泥の様に眠ってしまいます。

今度から道具の話と木工の話は分けようね。
見てる方もややこしいし、書いてる方も混乱するからね。

                       SEE YOU


 
【2014.06.20 Friday 19:56】 author : OYA-G | 作品 | comments(2) | trackbacks(0) | -
道具のリペアー3
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送られてきた道具の中に、長台の寸八が3丁ありました。
見た目随分手を取られそうだったので後回しにしようと
思っていたのですが、試しに1丁だけつついてみました。
左がその鉋。右は手を入れていない1枚刃の奴です。
左のも元の姿は右のと同様の年季の入った姿でした。
手を入れる前に試しに削ってみてびっくり。
ちゃんと削れてしまうんです。当然狂っていると思い込んでいた
下端は、手を入れる必要がほとんどありませんでした。
刃も、最近研いだ筈はないんですが、なぜか錆1つなかったです。
工房の埃や汚れに保護されていたんでしょうか。

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槌で叩かれてヘタっていた頭をグラインダーで削り、錆の浮きかけていた
替え先から上の部分をワイヤーブラシで掃除して、研ぎ直して
あげました。
銘は「白鶴」、鍛冶は「克明」と読めます。白造り?の華麗な刃でした。
ただし、替え先から先は4センチ弱しか残っていません。
研いだ後再度削りのテストをしましたが、「とっても切れます」。
長台で重いのですが、引きが抜群に軽いです。
刃先角はなんと30度。堅木用に立ててあったようですが、
それでも今までにない軽さです。
表なじみが緩んでいて、刃の出代調整がうまくいかないので、
紙を貼ってから最終の評価をしてみようと思いますが、
この鉋、いいかもしれません。

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こちらは1枚仕立ての方の刃。「重春」。
左下に「苦心名残」と刻印されています。
多少錆が浮いており、裏切れ寸前でしたので、研ぐ前に裏出し。
2丁とも片出の癖があり、片方の肩だけ槌で叩かれてヘタって
めくれています。
片出は直さないまま、強引に槌で叩いて使われていたようですが、
刃の出代調整が難しいので直しておきました。

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表側ですが、裏出しの槌跡が鎬面より上に付いています。
丁度境目あたりを叩いていたようです。
ここを叩くという人はあまりいないようですが、
これで上手くいくなら誤って刃先を叩く確率は低くなるし、
少し強めに叩けそうなので真似してみましたが、なるほど
ちゃんと出てきました。
裏は出たんですが問題が一つ。裏を押していて気づいていましたが、
刃先中央部が1センチぐらい、表側に歪んでいるのです。
何故そうなったかはわかりませんが、修正に時間がかかりました。
こっちの鉋も表なじみが緩くなっており、ハガキを貼り付けて
修正の必要があります。

台は買った時のまま、36mmの厚さになっていたので、30mmまで
落として、持ちやすくしてあげました。

3丁のうち最後の残しておいた2枚仕立ての鉋ですが、これは一目で
厄介だと思ったので後、後回しにしたんです。

1. 下端がかなり狂っている。
2. ほかに比べて片出の程度が甚だしいが、そのまま使った形跡がある。
3. 刃こぼれが肉眼ではっきり確認できるだけで5か所放置されている。
4. 刃口が2mm以上開いている。
5. 本刃、裏金とも歪んでいたり、変な場所を鑢で擦った跡が残って
  いる。
どうも、他の2丁に比べておかしな処が多すぎるのです。
同じ人が使っていたとは思えない点がいくつかありました・
リペアしてみての感想ですが、この鉋は9割がた他の人の物です。

使えるようにするには、相当な労力と思い切りが要るようです。

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まずは口埋めから。 小鉋はチェリーの木口表でやったのですが、
濃い色だと刃先確認が難しいので、今回は台と同じ白樫の薄板で、
柾目なりに埋めます。
埋める板は掘り込みより約1mm厚めのものを使います。
この写真でもわかるのですが、刃口両サイドの掘り込みが、
他の2丁と比べて狭くて深いです。
こういう場所は人によって癖ってものが出やすいので、
ここも同じ人の鉋とは思えない点です。

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他のもそうですが、表なじみが緩んでしまっています。
すでに紙を貼って調整したようですが、日付は平成9年
ですから、それ以降調整したはずです。
それでもユルユルになっていますので、一度この紙を剥がして
新しくハガキを挟んでみます。

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刃は、もう1丁の2枚台と同じ「白鶴」銘「克明」作の刃です。
この鉋刃を永年使ってみて、最初のが寿命近くなったので
同じものを新調したのでしょうか。
刃の長さからして、それほど使い込んだものではないのですが、
すでに両脚部分が酷く拡がっています。
右耳部分刃先側4センチに変な影が見えますよね。
反対側にもあるんですが、グラインダーか鑢で耳を部分的に
薄くしたようです。

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裏金もちょっと納得できません。
刃先がボロボロになっています。よく見るとかなり荒目の鑢あと
があり、刃先がガタガタに欠けた状態です

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逆側から見るとこういう状態です。
相当酷い状態で、一度の研ぎでは回復しないでしょう。

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研ぎ直した刃裏です。 荒っぽく中高のアーチ状に研いであった
のですが、それ以上に両耳の部分が気になります。
新調した時に刃が入って行かないので落としたんでしょうか?
そういうやり方は聞いたことがないけどなあ。

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研ぎ直した裏金です。歪があって苦労させられました。
今回はここまでにしておきます。

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3丁の長台を都合3日掛で何とかリペア終了。1日で左の2丁、
右の1丁に2日掛かった感じです。
いずれももう少し追い込みたいのですが、梅雨時、台が動く
可能性大なので、暫くこのまま様子をみることにします。

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次回作の準備をしておきましょう。
木工を始めて熱病状態だった頃に入手したタモ材を出して
きました。

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「タモ梱包材1立米=14万」の材です。 導管の太さに
辟易して、材木置き場に埋もれていました。
要するに、製材した時に出た規格寸法外の端材を1立米分
格安で売ってた奴です。いわばパンの切り落とし、または
茎わかめみたいなものです。

次回作は、この1立米をフル活用して、作業台三郎と、
受注品の「武骨で、存在感があって、ビクともしない丈夫な
作業テーブル」を作ります。
今までに作った事のない「大物」になりそなので、
体力が心配ではあるのですが。

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廊下の一番奥のスペースにあったのですが、ここから引きずり出して
やりました。

さっきの写真のは、「梱包材」の中で一番長尺の2m物です。
更に階段下に置いてある1m物も動員しますが、それは次回
ということにします。

                   ごきげんよう。

PS

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帰宅するとこんなものが届いていました。
中身は後日UPします。
KWGさん、重ね重ねありがとうございました。






 
【2014.06.17 Tuesday 22:55】 author : OYA-G | 新道具箱(手道具) | comments(5) | trackbacks(0) | -
テレビ台完成
途中経過抜き。いきなり完成です。
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天板とキャスターをの取り付け、両扉と引き出しの収まりを
最終確認して、すぐにでも納品できます。
今回は最後のところで「ありゃりゃ」というのがなく、
スムーズにいきました。
(モノタリナイケレドモ・・・・・。)


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と思ったら、やっぱりありました。
写真ではよくわからないのですが、サイドの脚と鏡板の
色が赤味の茶色なのに対して、天板の色が黄味勝ちの
渋い茶色なのです。
加工中は全く気づきませんでしたが、天板の塗装をしていて
気づきました。ちょっと気づくのが遅すぎたよです。
よくよく考えてみると、出所の違う材なんです。
天板に使ったのは、随分以前に栃木県で買った柾目材、
その他は2年ほど前に大川で仕入れた板目材なのです。
塗装前の色が近かったので大丈夫と思っていました。
施主様の寛容を期待するのみです。

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こんなものを衝動買いしちゃいました。
片手持ちのドリルドライバー。狭い場所でのネジ止めに難儀
しており、前から良いのがないかなあとは思っていました。
衝動買いしたのは、「ジャイロ」なんちゃらっていう機能が
便利と思ったからです。
お尻のところに微かに覗いている白い部分がスイッチで、
そこを握りこんで手首を右にひねると右に、左にひねると
左に回転します。
バッテリーは3,2Vでパワーはありませんが、
5千円ほどだったのでダメもとでGET。
十分活躍してくれてます。

次回作? どれにしようか考慮中。
6月2日から1日も休まずに木工に明け暮れていたので、
ちょっとバテ気味なんで、1週間ほど間を置いてみます。
 
【2014.06.13 Friday 18:24】 author : OYA-G | 作品 | comments(1) | trackbacks(0) | -
テレビ台--天板製作
テレビ台は引き続き天板の製作です。

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研ぎなおした「雲寿」でストレスなく仕上げ削り。

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仕上げ削り前の引き通しの削りです。薄削りには程遠いのですが、
この厚みで逆目無しに引きとおせなければ、時間と労力の無駄
というものです。
今回は「雲寿」の調子が一段上がったのと、材が素直な柾目だった
ので、おかしいぐらい順調に鉋掛けできました。

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1回目のサンディングはこいつ。最近はペーパーに集塵用の
穴を空けないでやってます。
よしよし、逆目掘れ無しと認める。

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両サイドを分決めした後、丸鋸の刃を15度傾けて三辺をカット。
天板のエッジは、このところ「テーブルエッジBIT」に頼って
いたんですが、少し飽きてきました。
引き出しの引手で使ったテクニックを使います。
そう、内反りのエッジにしてみます。
引手とのマッチングも良いしね。

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使うのは引手に使ったのと同じ内丸鉋。
削る前にサンドペーパーで一こすりしておきます。削った
位置が一目でわかります。

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こういゆ風に見えます。 これだとミスの可能性が低くなるでしょ。

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指さした部分が少し削り足りないようですね。

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最終的にはこうなります。 この形は今後多用できそうですね。
華麗なシェイプっていうんでしょうか、なんだか美しいなあ。

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で、約束通りオイル中です。 オイル一回目--#400で研磨
--オイル2回目--#800で研磨--一晩置いて#1000で研磨
します。
今日は#800研磨まで。残りは明朝です。

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これがまあ、完成品の全体像です。
一応合格点かな。2度と作りませんけれどもね。
え?なんでって? 前にも書いたけど、こんな手間のかかる
テレビ台はペイしません。もっと手間のかからない仕様に
しなくっちゃあ、コストパフォーマンスが悪すぎます。
週末には納品できそうですね、お待たせしました。

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今朝の裏庭の情景。専属庭師の体調が思わしくなくて、ここ
2か月ほど放置されていましたが、全面に草が生えてきました。
多分もう来ることはできないので、このままでは元のジャングル
状態になるのは必須でしょう。抜くなら今です。あと1週間も
放置すると手が付けられなくなりそうです。
それにしても、人が老いるっていうのは残酷ですね。
壮年の時はあれほどエネルギッシュだった人が・・・・。

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午後2時から2時間、腰が悲鳴を上げるのを無視して作業。
4時でギブアップしましたが、95%ぐらいは除去。
1週間か10日置きに、あと2回ほどやれば駆除できそうです。

手前は抜いた草どもの残骸です。この状態で日干しにしてやります。
向こうの黒いバケツ3杯分ありました。

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道具遊びも少々。
酷使されて死亡寸前の小鉋。 痛々しい姿です。
よしよし、安心して良いんだよ、おじさんが優しく直して
あげるからね。

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親指の当たる部分が凹んでいます。他の鉋も大概こうなっています。
指が当たる部分が凹むほど仕事をするって、凄いですよね。
鬼気迫るって、こういう事を言うんだろうね。

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全体をざっと削って、刃のカシラのへたり部分をグラインダーで落として
から、台に差し込んだ状態です。刃先は下端スレスレまで差して
あります。あと1.5センチ強は使えそうです。

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そのまま裏返した写真ですが、3mmほど刃口が開いています。
口埋め必須でしょうね。
刃は裏切れ寸前ですので、持ち帰って研ぎ直し、明日にでも
口埋めしてから使える状態まで行けるでしょう。

                 つかれたワァ・・・・。

 
【2014.06.10 Tuesday 20:49】 author : OYA-G | 作品 | comments(2) | trackbacks(0) | -
テレビ台--一挙に進展
引っかかっていた引手の目途がついたので、道具遊びはちょっと
中断して、本業?の方を進めます。

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こういうところで止まっていた訳です。引き出しの引手を先に付けないと、
引き出し自体が完成せず、引き出し2枚と左右の開き扉の位置関係の
微調整に入れないんです。
ここを通り過ぎれば、あとは天板を仕上げて完成だったんです。

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まだ仮の状態ですが、引手が付いてそれらしくなってきました。
開き扉は今回はスライド蝶番を使います。
開けたとき、安物の3文字家具屋の品物みたいで敬遠してたんですが、
取り付けと微調整は格段に楽ですね。

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オイルして引き出しを完成させ、微調整まで完了。
ほぼ想定していた物に近い姿になりました。

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あとは天板を残すだけです。
前側にかぶせ代を取らず、扉と面一の方がいいようです。
中央上部にテレビやオーディオのコントロールBOXが入る
んですが、この部分のおかげで随分苦労させられました。

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天板は粗取りしてあった板3枚を、もう一度手押し--自動と
掛けてから矧ぎあわせ、一気に仕上げに掛かっています。
11時過ぎから始めて、昼食をはさんで2時半には最終の
仕上げ削りに入っています。
今一番調子のいい「雲寿」でやっています。
あとほんの少しですが、刃が切れ止んだので本日の作業は
ここまで。
明日は天板の塗装まで進めるでしょう。

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道具遊びも少々。
これには少々手を取られました。

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2分幅の溝を掘る鉋のようです。仏壇の下の引き出しに
使ったんでしょうね。
2枚の板をユニクロのビスで止めてあったんですが、予想通り
錆が来ており、一本はねじ山をなめてしまいドリルで強引に
はずしました。削った後は真鍮ビスに取り換えてあります。
ユニクロよりは錆に強いはずです。

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溝を掬う刃の刃先は、イスカに研いであります。
全体の断面も平行四辺形に傾けてあります。
この鉋だけは直線の刃なので、研ぎなおしました。

いろんな曲線刃だらけなので、2000番ぐらいの砥石を
4〜5本買って、専用の砥石を作らなきゃあね。
しかし、彫刻刀の方はどこかで売ってないかなあ・・・・。


 
【2014.06.10 Tuesday 07:14】 author : OYA-G | 作品 | comments(3) | trackbacks(0) | -
道具のリペア-2
続きです。
今回はこれ。
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長めの小刀ですが、鞘の傷みが激しいので取り換えます。
まずは分解して観察。

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中は錆びだらけ。分解して良かったね。
2枚の板を重ねてありますが、掘り込みを入れてあるのは片方だけです。

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2枚の板は厚みが違っています。 左の方が刃の分だけ厚くなっています。
気づかないで同じ厚みにするところでした。
やっぱ、じっくり見なきゃあね。

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ほんでもって左右の厚みを違えてサクラのコッパを2枚におろします。
フェンスが傷んできたなあ・・・あ、いや、支障ないんでこのまま使います。
そんな事に余分な時間を使っちゃあいけません、ショクニンは。

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持ち手側の掘り込み完了。1時間少々。
中子?の錆もざっと落としておきました。
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良く観察しようね。刃と中子の切り替え位置が峰側と刃先側で微妙に
違っているのに気付かず、同じ位置で堀りこんだために、刃先側に
少し隙間が空いています。
ま、掘り込み部分にはカシューをたっぷり塗って仕込みますので、
目を瞑ってあげます。

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一つだけ元と違ったことをします。 そう、丸い穴。ここにラミン棒を差して
抜け止めにします。
3mmの金物錐で本体に穴あけ--彫り込んだところに刃を置いて掘り込み側
の板に貫通--もう1枚の板を重ねて、逆側から貫通--って手順です。

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先に持ち手側を完成させました。 刃を研いでから接着し、持ち手を整形。
8時半から始めて、ここまでで1時半。
研いでいるとき思ったんですが、これは元は刺身包丁じゃないかしら?
峰の部分の形状がうちにある刺身包丁とそっくりだし、切れ味が異様に
鋭いんです。刃先をカットしてあるのは、危ない事に使わないって
意味なんだろうか。
刃は刳り小刀のように内反りに研いであります。
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刃全体を少し逃がし気味に仕込んでありましたので、意味は解らないのですが
その通りにしておきました。
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鞘側の掘り込み。 こっちは20分ほどで完了。持ち手側で鑿の使い方が
解ったんで、大幅時間短縮です。

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ほぼ完成。仕込み部分のカシュー塗布まで終わりました。
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偶然ですが、スーッと入って、残り2センチぐらいで軽い抵抗が掛かって
カチッと嵌まります。 オイルを塗って完了です。
しかし、これは持ち出し厳禁ですね。 
こんなの持って外出したら、若いころの健さんみたいな気分にならない
とも限りませんからね。

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今日のオマケはこれ。テレビ台の引き出しや開き扉の引手です。
随分悩んでいましたが、道具を見ていて思いつきました。
これは定番になる確率大ですね。姿が私好みです。

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使ったのはこの2丁。内丸と外丸です。外丸は研ぎなおしてすぐって切れ味。
内丸は研ぎ直しを要求しています。

しかし、これで中断していたテレビ台も完成が見えてきました。
道具に助けられるって、こういう事なんかなあ。

                         続く。
 
【2014.06.07 Saturday 09:38】 author : OYA-G | 新道具箱(手道具) | comments(0) | trackbacks(0) | -
道具のリペアと「お酒さま」
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先日東京で送別会があり、こんなものを貰いました。
日本酒にしては値段が馬鹿高く、一度貰い物で飲んだだけです。
味は「それなり」。自分で買って飲む酒ではありません。
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これがミソ。名前入りです。
中身を空けたら、「千寿」でも詰め替えて、スノッビーな
奴らに飲ませてみようかな・・・・・。

先日到着した道具のリペアに掛かっています。
長年使い込まれたものなので、それなりに傷みがあり、相応の
修復をして寿命を延ばそうという算段です。
元の使い手に敬意を払って、そのまま使うという選択肢も
あるでしょうが、私の場合はリペアが必須ですね。

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まずは簡単そうなキリや彫刻刀の類から。
手作りと思えるものは漆が、市販品と思えるものはニスが塗ってあるようです。
大分古くなっており、刃を仕込んだ木口の部分が傷み始めています。
このままでは研ぎの時水が入って内部で錆が進行する可能性があります。

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万力で咥えておいてミニ南京で塗装を剥がします。

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丈の長いものは刃先1/3ぐらいをカシューで塗装し、残りはオイルを塗ります。
短いものは全体をカシューで塗装。
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乾燥中。

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ほぼ出来上がりです。
彫刻刀類は50本以上あるのでまだ1/3ぐらいですが、この辺で細工鉋も
やってみましょう。
右がその手始めにやってみたもの。3丁ともギンナン面を取る鉋です。
下端は油が塗りこんであり、残りの5面は漆が塗ってありました。
30丁ほどの鉋の殆どがそうなっています。

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下が元の姿、上が鉋掛けした状態です。この後オイルを2回塗布します。

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刃の状態はご覧のとおり。 試しに削ってみましたが、当然ながら研ぎ直し
必須のようです。
しかし、これを研ぐには専用の砥石の整形から始めなければなりません。

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このあいだヤフオクで入手したものに比べると、刃先の形状はぴったり
合わせてあります。ま、合ってないのがおかしいんですがね。
ということは、ヤフオクの方は使われていなかったんだね、たぶん。

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発見というか、不思議なことがあります。 刃の方は丁寧に研いでありますが、
押さえの方は殆ど研いで無い状態で、錆が浮いたまま放置された状態なんです。
この1丁だけでなく、他のもそうなんです。
刃先の密着した部分だけは辛うじて錆びていませんが、研ぎもいい加減な
感じがします。
「これで十分使える。これ以上は必要なし。」ってことでしょうかね。

長くなるんで、今回はここまで。
                         まだまだ続くよ。     
 
【2014.06.07 Saturday 08:41】 author : OYA-G | 新道具箱(手道具) | comments(2) | trackbacks(0) | -
道具長者!!・・・???
道具箱番外編です。
先週は東京に行っていました。
かなり濃厚な飲み会と、関東のゴルフ場の典型ともいうべき
「筑波カントリークラブ」で球遊びを堪能してきました。
滞在中、仕事関係の知人が思いがけないことを言い出し、
日曜日に帰宅するとこういう物が届いていました。

IMGP4418.JPG

左側の一群は長台鉋3丁を筆頭に、細工鉋30数丁、砥石が少々。
右上方に彫刻刀50数本、下にナイフ・槌・刃の厚い鋸2丁、定規類です。

金曜日の昼食を仕事上の知人数人でとりながらの会話です。
男1 「これからどうされるんですか?」
男2 「当然家具職人!あとは遊び。」
後輩1 「家具職人ったって、それも遊びなんだから、全部遊びじゃないの。」
男2 「要らぬ半畳を入れるな。」
   「ブログをやってるから、これを見てくれ。携帯でも見れるから。」
男1 「え〜〜〜、随分本格的ですね。知りませんでした。」
男2 「門外漢から見れば本格的、知った奴が見れば暇つぶしの領域じゃな。
    100、いや80年後の木工人間国宝を目指して修行するよ。」
男1 「実はこの5月15日に父親が亡くなったんですが、京都では
   少しは名の知れた仏壇職人だったんです。仏壇はいろんな工程が
   分業化されてて、父親は木地師って言って、本体部分を作る職人
   でした。爺さんの代に始めたんですが、兄貴も僕も継ぐことが
   できなかったんで、可愛そうなことをしました。」
男2 「ん?じゃあ道具はどうしたの?大型の機械とか、鉋や鑿があった
    ろう。」
男1 「ええ、機械は廃業した時、機械屋が引き取りに来てタダで持って
    帰ったようです。随分大事に使ってたんで、残念がってましたね。
    鉋なんかはそのまま残ってますよ。捨てる訳にもいかないんで。」
男2 「機械はタダか。随分阿漕な真似をするなあ。程度にもよるが、
   調整したりして60万とか100万ぐらいで売るんだがなあ。
男1 「手道具は送るんでKさん使ってやってくれますか?親父も
    喜ぶと思うんで。」
男2 「コップンカップ!!使います使います。じゃ、送り先ここね。」

という訳で送られてきました。

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内丸やら外丸、反り鉋、ギンナンなどが大小取り混ぜてあれやこれや。
どうも台には漆らしきものが塗ってあったようです。
数年放置されていたのでしょうが、刃は殆ど錆びていません。
一つ一つ詳しく見た訳ではないんですが、自分で手を入れた痕跡が
散見されます。

IMGP4427.JPG

2mmぐらいのギンナン面を取る鉋でしょうが、台がすり減ったのか
薄い板が貼り付けてあります。

IMGP4426.JPG
長台鉋3丁。真ん中のは下端の上半分を削った跡がみえます。
「精緻に」調整するっていうより、肝心なところだけ抑えて、あとは
ざっくり簡易に手を入れたって感じですね。
「切れりゃあ良いんだろ、道具ってもんは。こういう事に使う時間が
 あったら、仕事をしなきゃね、職人は。」
って声が聞こえてきそうです。

あ、反り台だったか小鉋だったかに「忠次」って読めるのが混ざって
ました。

IMGP4419.JPG
刃渡り25センチほどの小刀。切っ先を平らに切った部分にも
刃が付けてあります。どういう使い方をしたんでしょうね。
割れのきた鞘は布テープで補強してあります。
右側の左勝手の切り出しは使い込まれて寿命寸前ですが、刃先は
鋭利です。「綺麗に」研いである訳ではないのですが、鎬がビシッと
立って、いささかの甘さもありません。
ちょっとウナダレてしまいました。

今後詳しく見ていき、手を入れるべきものに手を入れてやるつもり
ですが、単なるコレクションには絶対にしない覚悟です。

ま、これだけで記事が20本ぐらいは書けそうです。

IMGP4416.JPG

本業?のほうも少し進展。 引き出し2枚を組立て中。
手早くなってきました。 舶来の締め具が主力、国産のハタガネは
補助です。

IMGP4415.JPG
底板が入る溝を切ったり、接合部分の切り欠きを入れたり、あれこれ
細かい細工をして組みあがりまで2時間というところでしょうか。
塗布・開放・締め付けで30分弱の接着剤が作業時間の短縮に貢献
しています。
白ボンドと比べて、接着剤がはみ出した時の処理が厄介ですが、
私としてはこっちに軍配をあげますね。

IMGP4417.JPG

はい、2枚組みあがりました。
この引き出しは今見えている前板に、さらに鏡板がついてアウトセット
になります。 抜き差しは摺桟+振れ止め方式。
いよいよ完成が近づいてきましたが、まだ引手ができていません。
頭の中でもイメージが固まってきません。う〜〜〜ん。

                 さよなら・・・・。

 
【2014.06.03 Tuesday 05:16】 author : OYA-G | 新道具箱(手道具) | comments(6) | trackbacks(0) | -
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